お久しぶりです。
毎日更新してたら急にクソめんどくさくなってしばらくお休みしておりました。誰も読んでねぇしいいだろ。自〇しろ。馬鹿が。くっさ。友達とやる遊戯王でめちゃくちゃおもんないただただ強いデッキ使って場をしらけさせてそう。
さて、本日の話題は『SCP』である。
ご存知でない方も多いと思うので簡単に説明すると、
ホラー映画の理不尽なモンスター群と、
スターウォーズみたいなSFと、
足して3で割った上に、
今流行っている小難しいカードゲームの一見さんお断りルールを掛け合わせた感じの、
いかにもインターネット民の好きそうな怪異創作である。
これでも分かりにくいと思うのでいくつか有名SCPの例を紹介すると、
・ずっと誰かしらが視線を向けていなければ、近くにいる人間を片っ端から首の骨を折って〇してしまう彫像
・現実の宇宙と連動しており、それを壊すと本物の惑星も破壊されてしまう、とある民家の屋根裏部屋にある宇宙を模した浮遊体
・一度覗き込むと、そこに奇妙な『ねこ』がいたと思い込むようになり、日常生活の中でも『ねこ』が見えて次第に発狂してしまう小屋
・くだらないジョークやダジャレに反応して、それを言った人間を撃ち抜くようにありえない速度で飛び大怪我を負わせるトマト
……みたいな感じである。だいたい僕の説明の言いたい事が分かって頂けただろうか。
科学では説明できない超常現象や怪異を、ひとまとめに『SCPオブジェクト』と呼び、それらが人類を脅かさないように確保・収容・保護する秘密組織・SCP財団。
その財団が発行している、各SCPを安全に収容するための手順書・『特別収容プロトコル』という形式をとって、各々が怪異創作を行っているというわけである。
収容の危険度に応じて『safe』や『keter』などのオブジェクトクラスが割り当てられているとか、創作のくせに理系のレポートのような小難しくてしゃらくさい書き方のルールが細かく定められているとか、とにかくとんでもなく敷居が高い。
しかし、創作者側に回らず、ただ消費者としてSCPを楽しむぶんにはそこまで肩肘を張る必要は無い。
YouTubeには他人の作ったSCPをゆっくりに紹介させて20分程度の動画を作って視聴者に広告を再生させて銭を稼いでいる連中の動画が大量に出回っているので、それを何本かボーッと見ていればある程度世界観は掴めるだろう。
さて、ここからはそのSCPに関する僕の思うところというか、タイトル通りの話をすることになる。
SCPについての知識が全くない人にとっては何のことやらな話になるかもしれないが、できるだけ分かりやすく書こうと思う。
今回この記事でメインに取り扱いたいのは、『SCP-5000』である。
SCPオブジェクトには、それぞれナンバーが割り当てられている。その中でもキリ番、ピッタリ何千というナンバーには、それに相応しい読み応えと面白さが必要であるとして、毎回そのキリ番ナンバーをかけてのテーマコンテストが開催される。
5000コンテストのテーマは『謎』。
各SCPオブジェクトには、作者が決めたそのオブジェクトを表すメタタイトルというものがつけられているのだが、このSCP-5000のそれは、『どうして?(英語原題:Why?)』。
この作品は、5000コンテストで2位とダブルスコア以上の評価差をつけ、見事最優秀賞と5000のナンバーを獲得した、SCP界隈の大多数のユーザーに評価された作品なのだが、僕はこれに異を唱えたい。
5000が駄作であるとは言わない。
駄作だとは思わないけれど、ズルいと思うし、端的に言って「お前それやってることアベンジャーズじゃねーか」と思う。
このSCP-5000について簡単に説明すると、
・突如、SCP財団施設内に現れたパワードスーツ。その中には、現在存命の財団職員・ピエトロの死体が入っていた。
・パワードスーツには、着ている人間の思考をそのまま記録する装置がついており、SCP-5000の報告書は基本的にこの記録を読んでいく形で進行する。
・その記録には、危険なSCPオブジェクトから人類を守る事が使命のはずのSCP財団が、何故か人類を根絶するために世界中で殺戮の限りを尽くしているという内容が書かれていた。
・財団は、収容していた危険なオブジェクトを世に放ち、身分も人種も問わず人類の大虐殺を始める。ピエトロは、その虐殺から逃げる。
・その後、SCP界隈の名物登場人物や、名物SCPオブジェクトなどが色々登場しまくり、何やかんやあって謎が謎を呼ぶ展開が続く。
・最後までSCP財団が人類に牙をむいた理由は明かされず、読者の頭にはメタタイトル通りの「どうして?」が残る。
ざっくり言うとこんな感じ。
もうハッキリ言っちゃうが、なげ〜〜し、つまんね〜〜。
界隈ではこれは『超大作』として絶賛されているのだが、まずもって、オチを読者の考察に丸投げしたものを大作とは呼ばない。エヴァンゲリオンですら一応の着地を見せたこの令和の世に、そんなもんが大作として認められてたまるかよ。
あともう一点致命的なのは、このSCPオブジェクトの本体は『未来から送られてきたパワードスーツ』なのだが、それそのもののアイデア単体では陳腐であると言わざるを得ない。
たしかに、他のSCPオブジェクトでも、本体はただの大したことない物品だが、それにまつわるエピソードが素晴らしいというものはある。
でもお前は肝心のエピソードが他の有名SCPの寄せ集めじゃん。アベンジャーズじゃん。スーパーロボット大戦じゃん。プレイステーションオールスターバトルロイヤルじゃん。
アベンジャーズもスーパーロボット大戦も、ただの人気作大集合ではなく、別作品どうしが同じ世界観の中でストーリーを共有し、原作ファンを唸らせる素晴らしいものだが。お前とプレイステーションオールスターバトルロイヤルはマジでただの寄せ集めじゃん。
しょぼいGANTZじゃん。
大量の殿堂入りSCPオブジェクトが出てくる割には、その中でちゃんと特性を活かして活躍するのはほんのひと握りで、ほとんどは「〇〇(あるSCPを彷彿とさせるキーワード)が〇〇(そのSCPの特性によって人々が惨殺される描写)していた」だけで終わっている。
到底リスペクトがあるとは思えない。
好みの問題もあると思うが、僕はこのSCP-5000は空っぽで、陳腐で、ただただ長ったらしいだけのものだと思う。
ピエトロの記録の細やかな筆致とか、褒めるべき部分も多くあるのは事実だが、しかし、それにしたって過剰評価されすぎだ。界隈の多くのユーザーが評価している部分は、難解な謎がある所、SCPオールスターな所と大きく分けて2点なのだが、その2点はここまでで書いてきた通り批判点であるべきだと思う。
SCPは、アニメでもゲームでも漫画でもなく、怪異を創作し理系レポートのように纏めるというインターネットならではの娯楽ジャンルだ。
いわば究極の身内ノリである。
しかし、こういう風に、さして必要もないのにただ有名SCPであるというだけであれこれぶち込んだ間違ったオールスター物は、身内ノリとしては悪いものの部類に入ると思う。
先日発表されたSCP-6000もめちゃくちゃ長かったが、作品のメッセージ性は美しいものがあり、僕はけっこう好きだった。
何より、他のSCPとそこまで深い相関があるわけではなく(他のSCP記事を多少読んでいないと理解が難しいかもしれない箇所はあるが)、独自の異常性と世界観を持っていた。
これからSCPというジャンル、コンテンツがどこへ向かうのかは分からないが、それを決めるのは間違いなく、書き手ではなく読み手だ。
何を高く評価し、何を低く評価するか。今のSCPユーザーの価値観は、良い身内ノリか、悪い身内ノリか?
この記事や、YouTubeでSCPを知ったという方は、是非本家サイトにてユーザー登録を行い、SCP記事の評価に参加してみてほしい。
ではまた。