インメルマン・ダンス

主に嫌いな物や腹立つ物について書いていきます。

真っ昼間の秋葉原で無理やり服を剥いで吸血鬼を〇すゲームの話

みなさんは普段どんなゲームをプレイされるだろうか。

ゲームなんてしない?くっさ、ハゲとるやないかお前。冗談は顔と頭だけにしろよ。あとお前喋ってる時口の端に唾の泡できててめちゃくちゃキモイぞ。俺らは家の中でゲームして遊んでるからお前だけ外で泥団子でも作ってろチンカス。〇ね。馬鹿が。

さて、これで僕のブログから香川県みたいな無能が消え去って安心というところで、今回は僕の好きなゲームの話をしていきたいと思う。


皆さんは、通行人の服を無理やり脱がしたことはあるだろうか。

男子小学生なら体育の時間にズボンを脱がし脱がされるのは日常茶飯事だっただろうが、20歳も超えた今、道行く人を無理やり脱がすなどという奇行、警察沙汰どころか即射殺ものだろう。

しかし、『現実では許されないことが堂々と出来る』というのが、ゲームの醍醐味のひとつ。グラセフで罪なき市民を〇しまくってストレスを発散した事のある人は少なくないと思う。


そんな、道行く人をスッポンポンにしてやりたいという許されざる欲求を満たしてくれるゲームがこちら。


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AKIBA’S TRIPアキバズトリップ)』。

アクワイアから2011年に発売されたPSP用ゲームソフト。2021年に10年の時を経てHDリマスター版がPS4用ソフトとして発売された他、同じくPS4にて『AKIBA’S TRIP2』も出ている。


オタクの街・秋葉原には、『カゲヤシ』と呼ばれるヒトの姿をした吸血鬼たちが、息を潜めて暮らしていた。

カゲヤシに血を吸われた者は、途端に無気力になり、『引きこもり』化してしまう……。

そんなカゲヤシを滅ぼすための唯一の手段、それは、服を脱がして肌を彼らの弱点である日光に晒して〇す、『脱衣の技』であった。

カゲヤシに襲われて行方不明になった親友のために夜の街を捜索していた主人公は、阿倍野優(あべの ゆう)という強力なカゲヤシによって瀕死の重傷を負わされる。

そんな彼を助けたのは、同じく強力なカゲヤシの少女、文月瑠衣(ふみづき るい)だった。


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彼女の血を分け与えられ、半カゲヤシ化した主人公は、人間離れした身体能力を得る代わりに、ほぼ全裸の状態で日光を浴びると死ぬ体質になってしまう。

カゲヤシ、カゲヤシを滅ぼさんとする政府組織NIRO、秋葉原市民。それぞれの思惑・思想が交錯し、それはやがて秋葉原全体を巻き込んだ大事件に発展していく……。


というのが大まかなあらすじ。

大袈裟に書いたが、『白昼堂々街中で服を脱がして敵を倒す』というコンセプトのゲームである。バカゲーでないはずがない。

そもそも、設定上主人公は半カゲヤシ化して身体能力が上がっているはずなのに、普通にその辺をパトロールしてる警察官のおっさんとかの方が強かったりする。


しかし、バカゲー故の『粗』が面白いゲームでもあるのだ。

このゲームでは、敵の服を脱がすことによって、その服をゲットすることが出来るのだが、逆に言えばレアな服をゲットするためには、その服を着ているキャラクターを『敵』にしなければならないということである。

作中で、警察官を装ったカゲヤシを退治するサブミッションがあるのだが、そこで手に入るのは男性用の警察官制服。婦警さんの制服は手に入れられないのだ。

そのためにはどうするか?

街中で一般人相手に攻撃を仕掛け、それを止めるために駆けつけた婦警さんをボコボコにして身ぐるみ剥がせばいいのである。

人を〇したりはしていないが、何故かグラセフよりよっぽど悪どいことをしている気分になる。他にも、何の罪もないチラシ配りの服を入手するために、無理やり近くでカゲヤシと戦闘をして、それに巻き込んで身ぐるみ剥がしたりだとか。

そんなことしなくても問題なくメインストーリーはクリアできるのだが、全ての服を入手するためには心を鬼にして非人道的な方法で市民の服を脱がしまくる他ないのである。脱衣の鬼になれ!


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あと、普通にストーリーも面白い。

ファイアーエムブレム風花雪月』をご存知だろうか。3つの陣営があり、主人公の選択、どの陣営に味方につくかによってストーリーが大きく変化し、これまで親しくしていたキャラを〇さなければならないことになったりして、その絶望感や背徳感、ルートによって変化するキャラ同士の関係性など、濃密な人物相関が高く評価されているゲームである。

風花雪月ほどではないが、このゲームもカゲヤシ、NIRO、秋葉原市民という3陣営のどれに味方するのかという選択が、ストーリーの結末に大きく影響する。

他のルートでは協力しあっていたキャラクターを、あるルートでは手にかけなければならなかったりと、バカゲーのくせに割と容赦のないシナリオでプレイヤーの心を抉ってくる。

たしか全部で6ルートほどあるのだが、トゥルーエンドが別格に完成度が高いのはもちろん、トゥルーではないグッドエンド、暗い結末のノーマルエンドも面白い。カゲヤシに協力するルートで、他のルートでは最初から最後まで敵だった阿倍野優と一緒にNIROのエージェントたちを殲滅できるのは、トゥルーエンドを先にプレイしているとなかなか感慨深いものがあった。

あ、1ルートだけ、「エンディングまでに妹に合計100万貢ぐ」という条件で発生する「妹エンド」があるのだが、これは正直しょうもない。ていうか普通に他のルートエンディングが流れた後にオマケで挿入される形なので、面白いとか面白くないとか以前に「ここいる?」って感じ。可愛いんだけども。


ここまでつらつらと、僕がこのゲームを好きな理由を書いてきたが、それよりも何よりも一番大きな理由は『メインヒロインである瑠衣の可愛さ』である。


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カゲヤシたちの妖主の眷属(簡単にいうと最強の吸血鬼の血縁者)のひとりであり、血の味のキスによって主人公の命を救った少女。

少し世間知らずなところもあるが、心優しく、カゲヤシたちが人間を襲うことに心を痛めている。のちに『穏健派』を名乗り、人間とカゲヤシの共存を目指して行動する。


僕は、アニメやゲームなど、いわゆる二次元作品において、シナリオの面白さを重視するタイプのためか、あまりキャラクター自体にめちゃくちゃ好きだという感情を抱くことがない。

しかしこの子だけはマジでめっっっちゃ好き。


主人公に対して、自分と同じカゲヤシが彼や親友を傷つけたことをずっと負い目に感じていたり、本来仲間であるカゲヤシの眷属たちから鬱陶しがられたり嫉妬されたりと爪弾き者にされていたりと、可哀想で儚げな一面もあるのだが、

「女性に年齢を聞くの、やっぱり失礼なんだって」と以前堂々と年齢を聞いてきた主人公にプクッとむくれたり、ゲーセンの格ゲーで対戦して負けたら「もう一回、もう一回!」と勝つまで再戦を要求してきたり(主人公が負けるまで永遠に再戦させられるのだが、3戦目からマジで勝てないくらい強くなる)などなど、ヒロインらしい可愛い一面もある。

可愛いヒロインはいくらでもいる。しかし、これほどまでに「自分が守ってあげないといけない」という気持ちにさせられるヒロインは、このゲームを初めてプレイした当時中学生の僕にとって、今までにないものだった。

声優は日笠陽子さんが演じられているのだが、他の作品では気の強いキャラを演じられることの多いイメージがある日笠さんには珍しく、か細い、柔らかな声色の声を聴くことが出来る。


アクションゲームとして遊ぶには粗が多く、アドベンチャーゲームとして遊ぶにはアクション要素が邪魔だったり、たぶん向かない人にはとことん向かないゲームだとは思う。

僕としても、人に「おすすめのゲームは?」と聞かれて、さすがにこのタイトルは出せない。たぶんおすすめのゲームを聞かれたら僕は『ペルソナ』か『ゴッドイーター』と答えると思う。

しかし、そういった良ゲー神ゲーでは味わえない、このゲームでしか味わえない『味』がこのゲームにはある。


もしこれを読んで遊んでみたくなった方は、是非最近PS4で出たリマスター版をプレイしてみてほしい。何なら貸すで俺。全然。

ではまた。